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2014年11月05日

日野・万願寺

仲田の森 桑ハウス見学会参加報告

亀津

イベント種別:その他対象者:指定なし

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10月26日(日)午後1時に仲田の森、旧蚕糸試験場跡の通称、桑ハウス前に集合、第一陣17~8名が受付を済ませて、主催者の日野宿発見隊の代表から見学会の趣旨説明を受け、次に仲田の森遺産発見プロジェクトの副代表の酒井さんが、桑ハウスが旧蚕糸試験場日野桑園跡に残る貴重な絹産業遺産であり、各地に残っている蚕糸試験場の蚕室の建物と比較しても和洋折衷のとても珍しい構造の建物であるとの説明をされました。
続いて、担当ガイドの方から旧蚕糸試験場日野桑園の全体の配置図や第一蚕室の概観や構造について詳しい説明があった。
建物全体が南向きで、蚕室への採光が考慮され、また蚕室に沿って、イチョウやケヤキなどの大型落葉樹が植えられて、通風,採光や防風が図られています。
特徴的な点は、二階は伝統的な養蚕の和風建物であるがその両端にはテラスがあった事、そして一階は洋風コンクリート製のモダンな構造になっていること、こうした和洋折衷型の養蚕施設、蚕糸試験場は他の地域には見られないそうです。

次に、第一蚕室から40~50mほど先にある、桑品種展示園に移動して、数品種ほどの桑の木について、かってこの試験場で主任研究官として研究をされていた山川一弘氏が簡単な説明をされた。
現在のスポーツ公園一帯は一面の桑畑だったそうです。
今ここに植えられている桑は、蚕糸の会の指導で、仲田小学校の児童たちが卒業記念として植え、また日野市の市制五〇周年記念の森再生事業の一環として仲田小学校の児童が参加して植えたものであること。桑は関東地方に適する品種だそうで、そのうち二種は蚕糸用ではなく、巨大な実をつける食用になる桑で、三年後にはジャム、ワインなども作れるそうです。 
仲田小学校の子ども達が蚕を育てて繭をつくることに挑戦していることも知りました。

次は第一蚕室の建物内部をガイドの人が案内してくれました。
内部は、とても荒れた様子で窓の部分はほとんど壊れた状態で、段差もあり、漆喰がはがれたり、おそらく蚕糸試験場が筑波に移転して以来30数年間、放っておかれたためでしょう。
それでもこのプロジェクトに関わる日野宿発見隊や仲田の森遺産発見プロジェクトの皆さんが事前に大掛かりな清掃をされていたお蔭で足元や室内は比較的きれいに片付いており安全に歩くことができました。急な木造階段を二階へ上がると、梁がむき出しになった明るい天上部屋のようで、構造上とてもしっかりしているそうです。一階中程の蚕室へ入ると、上部にダルマ障子という二重の障子窓があり蚕室の保温や換気などを管理したそうです。
壁は漆喰が塗られて簡単な装飾も施されていたとのこと。蚕室の床は地面から90cm程高くなって通風や湿度や温度管理などに注意が払われていたそうです。
隣の事務室であった部屋には養蚕の道具類や繭玉なども展示されていました。
建物の外には日本各地に残る蚕糸試験場施設、養蚕施設の建物などの写真の展示もありました。

昭和の初期から50年代までこの場所で桑の栽培、研究、品種改良や蚕の育種研究、品種改良の研究が行われて、日本の絹産業の発展に大いに貢献したと思うとやはり感慨深いものがあります。
何とかしてこの建物の修復、保全して日野市に残る絹産業遺産として展示、利用出来ればいいと思います。

今日のこの見学会は天気にも恵まれ、第3陣までおよそ100人近い市民の皆さんが参加されたそうで、大盛況でした。
主催者の皆さん、プロジェクトに関わった皆さん、ご苦労様でした。

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