Hi Know!は日野市内のイベント・団体活動を紹介いたします。

ナビゲーションをひらく
ナビゲーションをとじる
ここから本文です

2016年01月28日

日野・万願寺

『若年性認知症と言われた日から』

記者名:石原

イベント種別:講演・講習会・交流対象者:指定なし

この記事をシェアする

 1月23日(土)日野市東部会館3階ホールにて丹野智文氏(おれんじドア実行委員会代表)の講演会が開催されました。

丹野智文氏 41歳、宮城県在住。39歳でアルツハイマー型認知症の診断を受けます。
65歳以下では若年性認知症と言われ、その社会的立場からも、診断された際の当事者・ご家族の衝撃は計り知れません。
ゆっくりと丁寧に丹野氏の口から語られる言葉を200人はいると思われる会場内は聞き漏らすまいと静まり返っていましたが、丹野氏のユーモアあふれる内容に会場から笑い声が洩れます。

「忘れてしまうんです。車に乗れないので(以前は車通勤されていました)電車に乗りますが降りる駅を忘れてしまう。そばにいる方に自分の降りる駅を聞くと男性には怪訝そうな顏をされ、女性には新手のナンパかのように思われてしまいます。(ドッと笑い)そこで定期をみせます。自分は認知症であり、助けが必要なことを記してあるのです。すると全ての人が助けてくれます。降りる駅が一緒だと言って連れて行ってくれます」
認知症と診断されてからはしばらく自分は何も出来ない人間になってしまう、まわりから何も出来ないと思われてしまう、と考えては泣いて暮らした日々だったそうです。でもそれは認知症に対する自分の偏見だったと言われています。
現在の丹野氏は営業職から事務職へ移り仕事を続けていらっしゃいます。
そして認知症当事者のための物忘れ総合相談『おれんじドア実行委員会』代表を務め、全国で講演会活動をされています。

☆失敗は判っている、でも何故失敗したのかわからない。
☆待ってほしい、できることを奪わないでほしい。
☆廻りが障害に気づきにくい、自分から相手に知ってもらい気がラクになる。
☆怒らないで欲しい、まわりの人達に笑顔でいてほしい。
そして診断から相談するまでの永い、苦しかった時間、どこで何を聞けばいいのか判らなかった時間を経験しているからこそ、相談者不在の『空白の時間』を無くす重要性が伝わってきました。

「私の朝の役目に家でコーヒーを入れる、があるんですが入れてコーヒーカップ置いたら、もう忘れちゃって奥さんに『あっ、コーヒー入れてくれたの?ありがとう』といったら『どういたしまして、あなたが入れたんだけどねー』と奥さん、笑ってるんです。」
「自分も人の為に動き、認知症で人生が終わるわけではなく環境、支援で社会活動、参加を続けられる。これは障がいを持つすべての人に通じていると思います」
その通りと思います。2025年、後期高齢者は人口の20%を超え、予想とされる認知症と診断されるであろう人数は700万人と健康長寿医療センターの数字はでています。

今回会場を見渡すと、手話講習会の講師の先生、発達障害のお子さんをもつ保護者、家族の会の方、と様々でしたが目に見えない障がいを抱える人たち、目に見える人たち、その支援者の人たちが一つになっていくのだろうな、と感じました。

丹野氏の講演会にあたって日野市若年性認知症当事者と家族の集い『芽吹きの会』
代表 家弓安哲氏・事務局 来島みのりさん
『おれんじドア』実行委員会事務局 井上博文氏
に感謝いたします。
会場の写真をパソコンに取り入れてアップしようとしたとたん、写真全部消えてしまいました。(ショック!!)あーあやってしまいました・・・。すみません。
どうか笑って許してくださいね。これはきっと丹野氏にまたお会いできるという予兆かも?!と前向きに受け止めたいと思います。

  主催 日野市・芽吹きの会・日野市社会福祉協議会

記者名:石原

ページの先頭に戻る