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2016年04月23日

平山・南平

猫が好きなもの同士、一緒によりよい方向を見つけていけたら 南平駅徒歩1分《保護猫ひろば ラブとハッピー》

記者名:宮野

イベント種別:その他対象者:指定なし

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地域で保護された外猫たちと、猫カフェ形式で触れ合うことができる「保護猫広場 ラブとハッピー」。2015年11月に南平にオープンしました。立ち上げの中心になったのは、20年近く個人で猫の保護活動を行っていた酒井裕見子(写真右)さんと田中美恵子(同左)さんの2人でした。

「私たちが出会ったのは18年前。虐待を受けた2匹の地域猫がきっかけです」(酒井さん)。駆けつけた現場で目にしたのは、前脚と後脚をそれぞれ切られた猫たちでした。1匹は子猫を産んだばかり。梅雨のその日、酒井さんが現場で目にしたのは、血を流しながら必死に子猫たちの元に向かう母猫の姿だったそうです。

2匹はその後、病院で手術を受け傷口を縫合。どれほど怖い思いをしたのでしょうか。それぞれ新しい家庭に迎えられてからもなかなか人に慣れませんでした。後脚を切られた母猫はラブと名付けられ5年後に虹の橋へ。前脚を奪われた雄猫はハッピーという名前をもらい、田中さんの元で今も穏やかに暮らしています。

そんな2匹の猫の名を冠した保護猫広場。里親を待つ保護猫たちを紹介する猫カフェであり、ペットホテル、高齢飼い主たちから引き受けた猫の修正飼育を行っています。

「これまでずっと個人で活動する仲間同士、協力して、それぞれが自宅に保護猫を引き取ったり、譲渡先を探したりしてきました。ただ、各人の本業やプライベートな事情も異なる中で、活動に行き詰まりを感じていた頃でした。それでも猫たちの問題は待ったなし。田中さんと2人で新しい場づくりに挑戦することに決めたんです」(酒井さん)。

思い立って相談した不動産屋さんが猫好きだったという(ねこの神様による=^x^=記者付記)巡り合わせもあり、すぐにオーナーさんを紹介してもらい、なんと1日で「広場」の場所を契約。開店までの時間が怒涛のように過ぎていきました。

今、オープンから5ヶ月。16匹の元・外猫たちが新しい家族の元へ旅立ち、26匹が集団生活をしながら新たな出会いを待っています。

共有の空間を作ったことで、新しい人の出入りができ、硬直していた状況も良い方向に変わっていけるのでしょうか?

「そんな簡単じゃないと思っています。いつまで続けていけるか、お世話をする人の不足、運営を続けるお金の不足、関わる人同士の考えの折り合いなど、課題は少なくないんですよ」(田中さん)

地域で猫の活動を続けるのは、猫が嫌いな人との折り合い、活動をする仲間同士との協業の難しさなど、人間同士の難しさも伴うもの。それでも、20年近く猫保護活動の修羅場をくぐり抜け、還暦を過ぎてなお新しい空間を作り出した酒井さんと田中さん。その原動力は、本当に、いったい、なんなのだろう。

「娘がはじめてウチで猫を入れた時に、学校で何かあったのかなあ、帰ってきて、“みゅうちゃん……”って顔をうずめてね。あの時、何があったのかしらね。それに、小さい頃、おじいちゃんおばあちゃん以外の死に触れることっていうのもとても貴重なことだと思います。一軒に1匹いたら、野良ちゃんいなくなるわ(笑)。心の拠り所。癒し。抱っこするだけで気持ちが落ち着くっていうかね」(酒井さん)

「おしゃれなカフェじゃないけど、実家みたいで居心地良いって言われます(笑)」。あったかい猫のお母さんたちにも会いに、ぜひ一度出かけてみてください。

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保護猫広場 ラブとハッピー
京王線「南平」駅 徒歩1分
営業時間13:00-19:00 / 祝祭日も営業(定休日:月・火)
利用料(1時間)大人1,000円、高校生以下500円 ※ワンドリンク
090-4457-9406 /日野市南平7-18-54多田ビル201号室
公式サイト http://lovetohappy.com
公式ブログ http://ameblo.jp/lovetohappy8/
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<取材後記>
今回出会ったのは、毎日近所で出会うような地域のお母さんたち。人間の嫌な所をぶつけられたり、修羅場もくぐり抜けてきたのは、一度や二度ではないはず。
その後に、これだけ優しい空間を作り出した彼女たちの心の強さ、しなやかさに、心から尊敬の気持ちを覚えました。

関連URL:http://lovetohappy.com

記者名:宮野

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